最近ニュースで「漫才ロボット」で患者を笑わせる、緩和ケアの研究が始まったことが話題になりました。
AIが搭載という漫才ロボット。彼らが作る漫才は、ホントに面白いのでしょうか?
ここでは漫才ロボットについて
- 作られている目的
- どういう原理で漫才ネタが作られるのか?
- その漫才は面白いのか?
- 漫才ロボットの販売予定や価格は?
などについて、詳しく紹介していきます。
Contents
漫才ロボットとは?
漫才ロボットとは甲南大学・知能情報学部で開発中の、即興で漫才を作って自分たちで披露するロボットです。
・ボケ担当のボケ担当ゴン太(身長:50cm)
・ツッコミ担当のあいちゃん(身長:100cm)
のコンビ。
人工知能(AI)で漫才の台本を瞬時に作り、披露する2体の「漫才ロボット」は、がん患者を笑わせることができるのか。大阪国際がんセンター(大阪市)で21日、実証研究が始まりました。(萩)オリジナル版は→https://t.co/8BBhUVLyL9 pic.twitter.com/UJYJILSAlK
— 毎日新聞映像グループ (@eizo_desk) 2019年1月21日
目の表情の変化の他に、ツッコミのあいちゃんの方は首(!?)が左右に動くようです。
なんかスターウォーズのC-3POとR2-D2のコンビを想像してしまいましたww
ヤフーニュースなどの最新のニュースネタに関する「キーワード」を与えると、自分たちで情報を収集してきて、1,2分で漫才の台本を作り出します。漫才を作り出すのには、今話題のAI(人工知能)の技術を使っているとのこと。
そしてその漫才を2体でボケ、ツッコミの役割分担をしながら披露するのです。
漫才ロボットを開発している目的は?
漫才が本当に作り出せるとしても、やっぱり芸人が演じたほうが表情や言葉の抑揚があって面白いはず。医療の介護の現場で使うにしても、価格が高かったら導入するのか疑問です。
なぜ大学の研究室で、「漫才ロボット」を開発しているのでしょうか?
最近はアマゾンエコーやグーグルホームなどのAIスピーカー(スマートスピーカー)が販売され、話題になっています。将来的にそれらの役割を、ロボットが担うことも想像できますね。
一家に数台のロボットがいて、掃除や料理をしてくれる時代も近いかもしれません。
そうした時にしゃべらない無機質なロボットよりも、話し相手になってくれるロボットがいて、コミュニケーション出来た方が楽しいと思います。
漫才ロボットは「人とロボットの円滑なコミュニケーションの手助け」として、研究開発されているのです。
介護の現場でも、事務的にお手伝いしてくれるだけでなく、人間的な会話をしてくれるロボットの方が、受けられやすいのが想像できますね。
漫才ロボットの漫才はどうやって作られるのか?
漫才ロボットはがん患者を笑わせられるか?ネタはAIで瞬時に作成https://t.co/Y4vGexya39
— 毎日新聞 (@mainichi) 2019年1月21日
AIを使うと言いますが、実際にはどうやって漫才ネタが作られるのでしょうか?
漫才ロボットには、実際の漫才ネタを作り出す「基本の考え方」が反映されています。
「東京オリンピック」「嵐解散」などの、時事ネタに関する「キーワード」がお題として与えられると
・つかみ
・本ネタ
・オチ
の三段構成を基本として、漫才の台本が作られるのです。
その時間はわずか2~3分ほどだとか。人間では無理な、すごい早さです。
細かい内容を見ていくと
・言葉遊び
・ノリツッコミ
・謎かけ
などもプログラムされているようです。
例えば選挙が話題の漫才ネタで「投票」という言葉があったとして・・・
ボケ担当ロボットが「凍傷」とボケたとします。
そうするといったんツッコミ担当が、「凍傷ってホントに怖いな~」と乗った後(ノリ)に
「ってなんでやねん!凍傷って凍傷って低温が原因で生じる皮膚や皮下組織の障害やろ!」
とツッコムわけです。
ボケ担当ロボが「凍傷」という言葉を見つけたり、ツッコミ担当が「凍傷」に関して「怖い、痛い、寒い」などの関連語を見つけてくるのにはAIが使われます。
他にも謎かけ機能。
例えば時事ネタキーワードが「金環日食」だとして・・・
「金環日食とかけて必ず当たる凄腕の賭け氏と解きます。その心は?」
答え:「つき」だけでできるもじゃない(月、ツキ)
こうした謎かけもAIを使えば、一瞬で出来てしまうようです。
「金環日食」⇒さまざまな関連語(この場合、月、太陽、地球など)
さまざまな関連語⇒同音異義語(月に関してツキ)
ツキ⇒凄腕の賭け氏
こんな感じの流れ。
漫才を作り出す流れを見ると「なるほどな~」と感じます。
芸人さん達も、日々の出来事にアンテナを張って、常に漫才ネタを考えてるのを想像すると、大変な仕事だなと思いました。
【AI搭載】漫才ロボットの漫才はホントに面白いの?M1にも出場?
漫才ロボットの実際の漫才は、次の動画で見ることができます。
ボケ担当のゴン太が「大阪なおみはバトミントン選手で~」とボケると
ツッコミ担当のあいちゃんがいったんノッタ後に、ウィキペディア風にバトミントン選手を説明。そしてツッコンでいます。
大阪なおみとかけて国会議員と解きます。
という「謎かけ」も、一瞬で考えつくのはAIならではです。
そして漫才として成立していますが、面白いかどうかは別問題。
ロボットの限界というか、細かい表情やしぐさ、言葉の抑揚は単調なので、大笑いできるほどの面白さではないと思います。
当然本当の芸人さんにはかないませんが、ロボットとして『そこにいる』という存在感、バーチャル感は重要なのかも。
介護の現場などで使われると、お笑いのDVDを見せるよりも「緩和ケア」の効果は高いのかもしれません。時事ネタを即興で作るというのも、重要な要素ですね。
将来はAI漫才芸人が登場する?
ちなみにこの漫才ロボットは、2018年のM1グランプリの予選に出場して話題になりました。
将来はAIを使って漫才ネタを作り、それを演じる芸人さんが登場する可能性もありそうですね。
その漫才ネタをそのまま使わなくても、ネタを作り出すヒントに使うかもしれません。
さっきの謎かけなんかは、ねづっちさんと対戦させたりしても面白そうだし・・・
将棋の藤井聡太七段も、AI搭載のコンピューターソフトを技術を磨くのに利用しているとか。
小中学生などの若いうちから、これまでの漫才データをAIを使って研究。そして全く違った漫才を生み出す芸人さんが、将来登場することを期待してしまいます。
漫才ロボットの販売予定や価格は?
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aiboを写真撮影いただいたお客様に、先着でaibo DECOチョコをプレゼントいたします。#aibo #aiboチョコエディションhttps://t.co/Y7yL2Rkhak pic.twitter.com/wDhiJQ6GOz— aibo(Japan) (@aibo_jp) 2019年1月23日
ここまでお伝えしたように、漫才ロボットは研究され始めたばかりのテーマです。
一般家庭で受け入れられて「購入したい」と思われるには、まだステップアップが必要と考えられます。
それでも新しいもの好きの人向けに販売すると仮定して、その価格を予想すると・・・
漫才ロボットはだいぶ違いますが、犬型ロボット「aibo」の価格は約20万円。
aiboに比べると漫才ロボットは動きは単純。パーツ代もかからないことは想像できます。
ただ一般家庭で売れるほどの需要がないことと、2台(ボケ&ツッコミ)であることも考慮すると
10万円以下にはならないのかな?と思います。
販売予定も未定ですが、販売されれば話題になりそうです。
限定数販売なら、店先などに置いておけば集客にはつかえるかもしれませんww
将来は掃除などの家事用に1台。もう1台は常に近くにいて、スピーカやテレビ・電気などの電化製品をコントールする命令を聞く用。という風に2台ロボットが普通にいる時代がくるかもしれません。
その2台のロボットが近くに並んでいる時に、漫才をはじめたら(人によっては)癒させるかもしれませんねww