NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリンピック噺~』の
第7話のあらすじとネタバレを紹介します。
タイトルは「おかしな2人」。
今回の話の焦点は、前回残ってしまった「1800円の渡航費」問題。
四三がオリンピックに出場するために必要は、莫大な渡航費をどのように用意していくのか・・・
お金にまつわる登場人物たちの苦労、苦労してでも手に入れたいもの・信念がテーマになっています。
再放送の予定や、視聴率など、7話に関する話題を紹介していきます。
Contents
いだてん第7話のあらすじとネタバレ
前回のあらすじ
オリンピック予選会で1位になった四三だったが、「負ければ腹切り!?」という思いから、オリンピック出場をためらっていた。短距離で優勝した、弥彦も大学卒業後の進路に影響する時期ということで、出場を躊躇(ちゅうちゅ)していた。
だがそんな二人を治五郎は「黎明(れいめい)の鐘になれ」と説得する。
そしてついに四三はオリンピック出場を決心するのであった。ただし、渡航費は自腹という条件がついてしまったのだが・・・
今回のネタバレ
金栗四三(かなくり しそう)(中村勘九郎)がついに、「オリンピック出場」を決意した。
決意させるのに成功した嘉納治五郎(かのう じごろう)(役所広司)は、今度は「短距離走」の選手として、三島弥彦(みしま・やひこ)(生田斗真)を説得しようと、彼を東京高師(筑波大学)に招く。
「君のような、日本の未来を背負って立つ若者に、先進国のスポーツ文化を見てもらいたいんだ!」
そしてさらに治五郎は「予選会での弥彦の優勝記録に、異議を申し立てている者がいる」と語る。
闘争心を駆り立てられた弥彦は、「オリンピックに出場したい」という気持ちが、高ぶるのであった。
四三と弥彦、正式オリンピック出場選手へ
一方、オリンピック出場を決意した四三の方はというと・・・
オリンピックに出場するための大金「1800円」。兄に頼んだ手紙の返事が、来ないことに焦りと感じ始めていた。
ストックホルムに立つまで、もう3か月を切ってしまったのだ。
ちなみにストックホルムオリンピックが開催された、明治45年当時の1800円は、現在の紙幣価値だと550万円ほどだとか。
国家公務員の初任給が55円ほどだったので、まさに年収レベル!
治五郎に言いくるめられてしまった四三だが、個人で負担するには、あまりにも大きすぎる金額だった。
それでも四三は、「オリンピックに出たい!」と思った。
心配する可児(かに)(古舘寛治)に対して、こう言い放つのであった。
「嘉納先生のお言葉ですから、断る理由がありません!」
その後心配していた四三の元に、ついに兄、実次(さねつぐ)(中村獅童)から返信が届く。
そこには四三の心配に反して、温かい兄の言葉がつづられていた。
「四三よ。お前は家紋の誉れだ。駆けっこに夢中になるお前に、小言を言ったこともあったが、それを貫き通したのは立派だ。やはりお前はとつけむにゃあ(どんでもない)男だった!」
手紙には、田畑を売ってでも、1800円を工面すると書かれてあった。
そしてついに明治45年2月、四三と弥彦は東京高師の校長室で、オリンピックのエントリーシートに署名し、正式に代表選手になった。
治五郎に説得された弥彦も、タバコと酒を断ち、ひそかにオリンピック出場の準備をしていたのである。
ストックホルム行の1800円はどうやって用意する?
ストックホルムには、シベリア鉄道を使って到着まで2週間かかる。
治五郎の他に、2人の同乗者がつくことになった。
そして四三は、出発前に英会話や西洋式の礼儀作法、食事のマナーなどの教育を受けることになった。
レッスンするのは、大森兵蔵の妻、安仁子(アニコ)(シャーロット・ケイト・フォックス)だ。
レッスン場所は、コックや給仕がいる、三島弥彦の家が使われることになった。
三島邸には、弥彦の母・和歌子や兄・弥太郎がいる。
そして西洋式のマナーは、四三にとっては知らないことばかり。
緊張と、安仁子の厳しいレッスンに四三は疲れ切っていった・・・
一方、四三の兄・実次の方はというと・・・
1800円の大金が用意できず、頭を悩ませていた。
そこで春野先生を訪ねて
「春野さん、この魔よけの刀を買ってください!」
と頼み込む。それは、父・信彦の形見の品だった。
「でも、父上亡くなったし。その刀、効き目なかったよね?」
そんなやり取りを聞いていた、春野の娘スヤ(綾瀬はるか)がある提案をする。
まもなく自分が嫁ぐ、池部家は玉名の庄屋。資産家としても知られている。
その池部家に相談すれば、資金を工面できるのではないか?という提案だ。
実次はあまりいい気分ではなかったが、スヤと共に池部に行くことにした。
治五郎からのはなむけ
四三の方は、安仁子の激しいレッスンに疲れ果てていた。
追い打ちをかけるように、実次からのお金も届かない。
友人の美川(勝地涼)は、四三にたずねた。
「そもそも何で、お前が自腹を切ることになったんだ?」
四三が治五郎に「自費での参加」を説得されたワケを話すと、美川は怒りだした。
「それはお前、まんまと口車にのせられたんだ、校長に「1800円出してくれなかったら走らない!」と直談判すべきだ」
四三は直談判のために、校長室の治五郎をたずねる。
中に入ろうとしたとき、部屋の中から、治五郎と可児の会話が聞こえてきた。
それは借金の話だった。四三は、治五郎には10万円もの借金があることを知ったのだ。
四三は驚愕した。
(先ほどの換算で考えると、10万円は現在の紙幣価値で、3億円以上)
そんな治五郎の現状を知った四三は、「1800円を出してくれ」と切り出せなくなってしまう。
治五郎に話しかけられた四三は「・・・わたしはその、本当にオリンピックに行くのでしょうか?実感がわかないというか・・・」
と、今の複雑な心境を答える。
そんな四三を見た治五郎は、彼を浅草に連れ出した。
一緒に歩きながら治五郎は、「勝」の文字が刺繍(ししゅう)された背広の背中を、四三に見せる。
その背広は、「勝海舟」が治五郎に送った品だった。
29歳の治五郎が初めて欧米視察行くときに、「はなむけ」として送ってくれた、大切な品だったのだ。
「以来、ゲンをかついで、大切な大勝負の時は、これを着るようにしてきた。フランス大使館に出向いて、オリンピック出場を決めたのも、この服だ。」
ところが治五郎は、そのまま質屋に入った。大切な「勝からの贈り物」を、質屋に売ってしまったのだ!
そして治五郎は、四三に金を渡して、オリンピック行きの服を仕立てるように言った。
「わたし個人からのはなむけだ」
感激した四三は礼を言って、そのまま日本橋の三越へ行って、コート、背広を仕立てる。
1800円の費用のことは、切り出せなかった。
ついに用意できた1800円!
2週間後。服が一式出来上がると、弥彦が自宅の庭で、背広を着た四三の写真を撮ってくれた。
現像しながら弥彦は、オリンピック出場を心から祝ってくれる、「四三がうらやましい」と告げる。
弥彦の場合、母は兄の弥太郎にしか興味がなく、弥太郎は「お金」にしか興味がないというのだ。
そんな弥彦を気遣いながらも、四三は「でも、自分の子供に興味がない親なんかいるでしょうか?」と言うのだった
。
一方、オリンピックの同行者は大森夫妻に決まる。兵蔵が監督、安仁子が通訳の立場だ。
可児と永井(杉本哲太)は、どちらかが同行できると思っていたので、ひそかに落胆した。
そして四三は。
兄が渡航費用を用意できないと心配して、オリンピック予選会の「優勝カップ」をお金に換えようと決断していた。
カップを持って寄宿舎を出た四三は、兄・実次に出くわす。
実次は大きな風呂敷をもって、こう言うのであった。
「金1800円。用意してきたぞ」
いだてん第7話の感想
今回は、オリンピック出場を決心した四三の、出場前までの苦労が描かれていました。
特にキーワードになったのは、「渡航費用の1800円」ですね。
現在の紙幣価値で「550万円」もの大金。
四三の兄・実次は、スヤの嫁ぎ先の池部家にまで頭を下げて、この大金を用意します。
(詳細は、次回明らかになります)
その前には、四三のために「先祖から受け継いだ田畑を売ろう」とまで決心しているし。
「弟思い」の常識を超えていると思いました。自分だったら、中村獅童さんみたいな決断はとてもできないと。
自分嫁、子どもという家族もいるし、弟のためだけに、そこまでできるのか?と。
でもその行動の理由には、亡き父である信彦の思い・・・
「四三は、嘉納先生に抱っこしてもらったから、とつけむにゃあ男になる」という思いも、理由になっていると感じられて、とても感動しました。
スヤの嫁ぎ先に行くのだって、すごい嫌だっただろうし。
「弟への思いやり」だけでなく、「国の代表の四三のために、何とかしてやりたい!」という強い気持ちが、感じられました。
また治五郎先生(役所広司さん)の、「勝海舟からもらった背広を質に入れる」というのも、普通にできることではありません。
それが単に借金返済のためでなく、四三のオリンピック行きの服を買うための「はなむけ」、というのがまた感動しました。
10万円(今の3億円)の借金は、治五郎先生が一生かけても返せなかったと、解説がありました。
いくらスポーツのため、自分が強い信念をもっていたとしても、ここまで借金するのは、普通ではありません。
返ってくるアテがある、投資でなく借金ですからね。
その治五郎の強い決意を知って、自分で旅費を調達しようと思った四三。
皆が自分の信念を持ちながら、相手を思いやる気持ちも伝わってくる感動回だったと思います。
そしてお金の苦労なく、ストックホルムに行ける弥彦。
お金はあるのに、家族からの愛情を感じられない弥彦と
お金はないのに、家族から大きな愛情を感じる四三。
この二人の対比も、わかりやすい描かれていました。
ストーリーとしては、進行がない地味な回のはずですが、こういうところを丁寧に描いた、宮藤官九郎さんの脚本はすごいと思います。
次回のネタバレはこちら
⇒ いだてん8話あらすじとネタバレ!感想は?弥彦は家族の応援を受けられるのか?
「NHK大河ドラマ」いだてん第7話の再放送予定
【大河ドラマ】いだてん第7話の再放送予定は
2月23日(土) 午後1:05~(NHK総合)
になります。
さらに見逃した場合は、NHKオンデマンドの「見逃し配信」で見ることも可能です。
購入期限は、再放送からさらに一週間後の、3月2日(土)です。
次回のネタバレはこちら
⇒ いだてん8話あらすじとネタバレ!感想は?弥彦は家族の応援を受けられるのか?
今年の天気も気になります・・・