日本映画界の最高の名誉である「日本アカデミー賞」。
42回日本アカデミー賞が、今年も3月1日(金)にグランドプリンスホテル新高輪で開催されます。
今回の最優秀作品賞は何かな?
と、予想している人も多いのではないでしょうか?
そして「日本アカデミー賞」について調べていると、「話題賞」という言葉が見つかります。
「新人賞ならわかるけど、話題賞って何?」
今回は、日本アカデミー賞の『話題賞』について、選定基準や歴代受賞作、本編との関係などを詳しく紹介していきます。
Contents
日本アカデミー賞 話題賞とは?選定基準について解説
日本アカデミー賞の『話題賞』とは、本編とは別の賞です。
ラジオ『オールナイトニッポン』のリスナーが選ぶ賞で、投票によって決定。「作品賞」と「俳優賞」がそれぞれ1枠ずつ選ばれます。一般の映画ファンが、投票に参加できる唯一の賞なのです。
これに対して、日本アカデミー賞の本編、つまり優秀作品賞や優秀俳優賞は、専門家によって選ばれます。日本アカデミー賞協会の、協会員によって選考されます。
一般の人に選ばれる日本アカデミー賞の『話題賞』は、我々が考える「面白い映画」「今年活躍した女優・俳優」に、近い感覚で選ばれていると言えます。なので、共感できる作品が多いですね。
「1番組のラジオのリスナーって、そんなに数がいるの?」
「意味のある投票なの?」
と思うかもしれませんが、今回(2019年)の投票数は、52,558通!
投票期間は、去年の11月23日~今年2月1日ですが、かなりの票数が集まっています。
さすがは「オールナイトニッポン」ですね。
これだけの票数が集まれば、庶民の意見を反映した結果になるはずです。
日本アカデミー賞2019の話題賞の発表はいつ?受賞作品と俳優は?
3月1日(金)の41回日本アカデミー賞の発表に先がけて、2019年の話題賞はすでに発表されています。
発表は2月14日(木)のニッポン放送「ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン」にて、行われました。
作品部門:カメラを止めるな!
俳優部門:伊藤健太郎さん
「カメラを止めるな!」は、アカデミー賞本編の優秀作品賞にもノミネート。
ゾンビ映画の撮影中に、本物のゾンビが襲来。でも、リアリティーを重視する監督は、そのまま撮影を続行するという設定の映画。監督は上田慎一郎さんで、ENBUゼミナールの「シネマプロジェクト」の作品になります。
そして伊藤健太郎さんは、本編で新人俳優賞が既に決まっています。出演作は「コーヒーが冷めないうちに」です。
伊藤健太郎さんは、去年(2018年)はテレビドラマでも大活躍でしたね。私としては、やっぱり「今日から俺は!」の、伊藤役が印象に残りました。三橋役の賀来賢人さんとのコンビが、熱かったですね。続編を期待しています。
日本アカデミー賞 話題賞の歴代受賞作品と俳優について
日本アカデミー賞の話題賞の歴代の「作品賞」と「俳優賞」を、時系列でまとめておきます。
第〇回と西暦は、アカデミー賞に合わせてあります。
ニッポン放送の話題賞は、第3回の日本アカデミー賞から作られました。なので第1回、第2回の話題賞はありません。
第3回(1980年)
作品部門:銀河鉄道999
俳優部門:松坂慶子
第4回(1981年)
作品部門:翔んだカップル
俳優部門:薬師丸ひろ子
第5回(1982年)
作品部門:セーラー服と機関銃
俳優部門:薬師丸ひろ子
第6回(1983年)
作品部門:汚れた英雄
俳優部門:E.T.
第7回(1984年)
作品部門:戦場のメリークリスマス
俳優部門:タロ、ジロ
第8回(1985年)
作品部門:Wの悲劇
俳優部門:薬師丸ひろ子
第9回(1986年)
作品部門:CHECKERS in TAN TAN たぬき
俳優部門:ビートたけし
第10回(1987年)
作品部門:子猫物語
俳優部門:とんねるず
第11回(1988年)
作品部門:ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎行進曲
俳優部門:原田知世
第12回(1989年)
作品部門:ロックよ、静かに流れよ
俳優部門:「あぶない刑事」チーム
第13回(1990年)
作品部門:魔女の宅急便
俳優部門:ビートたけし
第14回(1991年)
作品部門:稲村ジェーン
俳優部門:薬師丸ひろ子
第15回(1992年)
作品部門:おもひでぽろぽろ
俳優部門:中山美穂
第16回(1993年)
作品部門:PATIO
俳優部門:ウッチャンナンチャン
第17回(1994年)
作品部門:水の旅人 侍KIDS
俳優部門:萩原聖人
第18回(1995年)
作品部門:ヒーローインタビュー
俳優部門:吉岡秀隆
第19回(1996年)
作品部門:君を忘れない
俳優部門:豊川悦司
第20回(1997年)
作品部門:スワロウテイル
俳優部門:浅野忠信
第21回(1998年)
作品部門:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
俳優部門:西村雅彦
第22回(1999年)
作品部門:リング
俳優部門:織田裕二
第23回(2000年)
作品部門:無問題モウマンタイ
俳優部門:矢部浩之
第24回(2001年)
作品部門:バトル・ロワイアル
俳優部門:モーニング娘。
第25回(2002年)
作品部門:プラトニック・セックス
俳優部門:田中直樹
第26回(2003年)
作品部門:仔犬ダンの物語
俳優部門:鈴木杏
第27回(2004年)
作品部門:踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
俳優部門:上戸彩
第28回(2005年)
作品部門:スウィングガールズ
俳優部門:長澤まさみ
第29回(2006年)
作品部門:NANA
俳優部門:沢尻エリカ
第30回(2007年)
作品部門:フラガール
俳優部門:塚地武雅
第31回(2008年)
作品部門:キサラギ
俳優部門:新垣結衣
第32回(2009年)
作品部門:容疑者Xの献身
俳優部門:松山ケンイチ
第33回(2010年)
作品部門:アマルフィ 女神の報酬
俳優部門:綾瀬はるか
第34回(2011年)
作品部門:SP野望篇
俳優部門:岡村隆史
第35回(2012年)
作品部門:モテキ
俳優部門:前田敦子
第36回(2013年)
作品部門:桐島、部活やめるってよ
俳優部門:大島優子(AKB48)
第37回(2014年)
作品部門:真夏の方程式
俳優部門:若林正恭(オードリー)
第38回(2015年)
作品部門: るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編
俳優部門:岡田准一
第39回(2016年)
作品部門:バクマン。
俳優部門:ももいろクローバーZ
第40回(2017年)
作品部門:君の名は。
俳優部門:岩田剛典
第41回(2018年)
作品部門:君の膵臓をたべたい
俳優部門:菅田将暉
第42回(2019年)
作品部門:カメラを止めるな!
俳優部門:伊藤健太郎
歴代の話題賞を見ていくと、時代の流れを感じて、感慨深いですね。
私は1980年代から、ものごころがついていたので、どの作品も記憶があります。
そしてどの作品も、何度もテレビで放送されている、すばらしい作品ばかりです。
プロが選出する、アカデミー賞本編よりも「納得感」があります。
古い時代を見ると、薬師丸ひろ子さんが4回も選ばれていたり。角川映画、全盛の時代ですね。
原田知世さんも、懐かしいです。
最近では、新垣結衣さんや綾瀬はるかさん。
松山ケンイチさん、岡田准一さん、岩田剛典さん。
現役バリバリで活躍している、俳優さん、女優さんばかりです。
意外な所では、オードリーの若林さんや岡村隆史さんが獲得していますね。
日本アカデミー賞 歴代の話題賞と歴代の最優秀作品賞は一致しているの?
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🗣3月1日は #日本アカデミー賞
\日本映画界最大の祭典、第42回日本アカデミー賞授賞式が、いよいよ3月1日(金)開催❗
これを記念し、①フォロー ②本ツイートをRTして、情報を拡散してくれた方の中から抽選で30名様に、歴代の受賞作品がプリントされた貴重なポスターをプレゼント🎁 pic.twitter.com/6MxrgTCz1a
— 日本アカデミー賞協会 (@japanacademy) 2019年2月25日
そして気になるのは、日本アカデミー賞に先がけて発表される「話題賞」と、アカデミー賞の最優秀作品賞の関係ではありませんか?
庶民が選んだ作品は、プロが選んだ作品と一致しているのか?
ということです。
記憶に新しいところから見ていくと
第41回(2018年)の日本アカデミー賞、最優秀作品賞は「三度目の殺人」。
第40回(2017年)は「シン・ゴジラ」です。
一方、オールナイトニッポンの「話題賞」は
第41回(2018年)は「君の膵臓をたべたい」
第40回(2017年)は「君の名は。」
でした。
それぞれの年のどちらも素晴らしい作品ですが、微妙にずれていますね。
で、さらにさかのぼって、ここ10年ぐらいの
日本アカデミー賞の歴代の最優秀作品賞
日本アカデミー賞の歴代の話題賞
を比較してみます。
(かっこ)内が、その回の話題賞です。
第30回(2007年)
フラガール(フラガール)
第31回(2008年)
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(キサラギ)
第32回(2009年)
おくりびと(容疑者Xの献身)
第33回(2010年)
沈まぬ太陽(アマルフィ 女神の報酬)
第34回(2011年)
告白(SP野望篇)
第35回(2012年)
八日目の蟬(モテキ)
第36回(2013年)
桐島、部活やめるってよ(桐島、部活やめるってよ)
第37回(2014年)
舟を編む(真夏の方程式)
第38回(2015年)
永遠のゼロ(るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編)
第39回(2016年)
海街diary(バクマン。)
第40回(2017年)
シン・ゴジラ(君の名は。)
第41回(2018年)
三度目の殺人(君の膵臓をたべたい)
第30回(2007年)の「フラガール」、そして第36回(2013年)の「桐島、部活やめるってよ」が一致しているのがわかります。
そして、さらにさかのぼると・・・
なんと他には、「話題賞」と「最優秀作品賞」が一致する作品がありませんでした!
話題賞と最優秀作品賞。それぞれの、特徴・傾向もはっきりしていません。
投票で選ばれる「話題賞」は、感動系の作品、庶民的な作品。
例えば、「君の名は。」や「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」ですね。
こうした作品が多いのかな?、と思いきや・・・。
アカデミー賞本編の最優秀作品賞でも
第21回:もののけ姫(新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に)
第23回:鉄道員【ぽっぽや】(無問題モウマンタイ)
第25回:千と千尋の神隠し(プラトニック・セックス)
第29回:ALWAYS 三丁目の夕日(NANA)
第31回:東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(キサラギ)
第38回:永遠の0(るろうに剣心 京都大火編/伝説の最後編)
など、専門家だけでなく、誰が見ても感動するような、わかりやすい作品も選ばれています。
かっこ内は、その年の「話題賞」ですが
「なんでそっちが、話題賞なの?」
と、私のイメージでは、そう感じてしまう投票結果になっています。
・意外な作品が、話題賞を獲得していること
・むしろ、話題賞を獲得した作品が、最優秀作品賞になっていないこと
という点で、今年(2019年)の最優秀作品賞を予想すると、面白いかもしれませんね。
ちなみに、第42回(2019年)の優秀作品賞ノミネートは、次の5作品。
・カメラを止めるな!
・北の桜守
・孤狼の血
・空飛ぶタイヤ
・万引き家族
傾向から言うと、話題賞を獲得した「カメラを止めるな!」は、最優秀作品賞を取れないのでしょうか?
やっぱり大きな話題になった、「万引き家族」が本命のような気がします。
去年亡くなった樹木希林さんも、万引き家族で「優秀助演女優賞」にノミネートされているので、注目が集まります。
テレビ放送は3月1日(金)。
日本テレビで21:00~放送予定です。
結果がどうなるか楽しみましょう♪